木曜日, 11月 03, 2011

病気の内の念禱







ここ2週間、風邪で調子が悪い、昨日は神学院に行ったのだけれど
3限目は、頭痛と寒気で、空いている修室で休んでしまった・・・

先週は、殆んど修室のベットの中で・・・情けな事だと感じながらも安静にしていた。






病気で寝込んでいると、普段より多く祈る。





これも、神様からのプレゼント。

風邪で寝込む程度なら、絶望なんて事のはならないのだけれど
10年程前に、頸椎を傷めて入院した時には、それまで味わった事無い
絶望感に襲われた。
仕事も、生活も、近い将来の計画も全てそこでストップ・・・
先も考えられない、ノー天気な俺でも途方に暮れた。

医師からは「後、一回転倒したら死にますよ。」と言われ、その医師の真顔に青くなった。

その頃の俺は、神様は存在すると感じてはいたが、人は神から自立しなければならない、
なんて考えていた、神に頼るから人間は大人になれないんだ、なんてね。

緊急入院から1週間程で、手術となった。
絶対安静が解けると、リハビリを行う、1ヶ月も寝たきりでいると歩けなくなってしまうからだ。
幸い入院した病院は整形外科では有名な病院で、リハビリも一流の医師と看護師達が揃っており、患者の病状に合せたプログラムを作成してくれ、効率良くリハビリが行えました。

リハビリ室は小さな体育館程の広さを持ち様々な運動器具が置かれて、御近所からリハビリに通う御老人達と仲良くなったりもしました。
そんな御老人の中に沖縄のおばあちゃんがいて、よく話しをしていました。
その、おばあちゃんに最初に会った時に、こう言われたのです。

「あんた、神様に護られてるよ。」

聞けば、おばあちゃんは、沖縄のノロ、沖縄独特の宗教のシャーマンとの事。

そう言われて、なんと返事をしたらいいのか判らず、照れ笑いをしながら御礼をいったのですが、その言葉は入院中ずっと心に残っていました。
まるで、小さな棘のように・・・



入院は約4ヶ月間程にもなり、あれ程絶望していたのが嘘のように、入院ライフを楽しむまでになっていました。
Happyなんとかと言う頸を完全固定する、器具を着けていましたから(これが、宇宙人みたいなんだよね)見た目にはかなり痛々しいのです。
それで立って押して歩く歩行器に捕まりながら、用も無いのに外来のフロアーをウロウロしたり(そんな見た目ですから、歩くと人が左右にパーっと広がるんです。。。それが楽しくて)

それでもやはり入院生活は不安が付き纏うものです。

ベットに横になりながら、窓の外の桜の樹をよく眺めては、考えていました。
入院した頃は、まだ葉もついていない桜の樹にちらほらと薄桃色の花が咲き、あっという間に満開になり、そしてまた、あっという間に散ってしまう。
そんな季節の美しさと儚さを愛でながら、あの沖縄のおばあちゃんの言葉が聞こえてくるのです。

「あんた、神様に護られてるよ。」

神様は思いもよらない為さり方で、その愛を示されます。

小さな野の花と、それに集まる虫たちや、心いっぱいに広がる桜の花や、風の音、水の匂い
おばあちゃんたちの笑い声、ナースさんの心遣い・・・

どれもこれも、神様の愛で満ち溢れているのです。



それから、10年経ちましたが、こうして風邪だけれどベットに横になっていると、あの入院の事を思い出します。





「あんた、神様に護られてるよ。」


今も、神様は俺たち皆を、護って下さっています。

その愛に、到底応える愛を示す事は、俺にはまだ出来ないでしょう。
けれど、此処にいて自分の全てを神様の愛に御捧げる事に、もう何の躊躇いも無い事は
きっと、少しは喜んで下さると思います。



病気で寝込む時、イエズス様は、いつもより長く御話しをなさりたいと
思っておられるのかもしれません。






主イエズス様に感謝。










2 件のコメント:

  1. ホスチアさん、風邪は万病の元と言います。
    ホスチアさんの風邪は、少し長いので、要注意です。無理をするより、ここはじっくり治してくださいな。
    実はね、私は息子を昨年亡くしてます。大学生で試験中の時期も重なり、無理も祟ったのかな、と思います。
    一人暮らしだったので、可哀想に、助けてあげることが出来ませんでした。息子の場合は、早期発見でも恐らく助からなかったとは思いますが、努力で治る方は、しっかり治していただきたい、そう思うのです。ホスチアさん、気にかけていますよ。

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  2. τ平和と善。
    道子さん、御気遣いありがとうございます。
    先日、少し調子が良くなって学校に行ってダウンしてしまいましたから、今日は無理をせずに休んでいます。

    昨年、息子さんを亡くされてとは、まだまだ御辛いですよね・・・
    一人暮らしをされておられたのなら、離れた場所だったんでしょうか・・・でも、どうか余り御自分を御責めにならないで下さい。
    今月11月はカトリックの教会暦で「死者の月」なのです。
    修道院では毎朝ミサを立てますが、今月は亡くなった方々の為に、御ミサを行なっています。
    もし、差支えなければ、子息さんの御名前を、コメントで御教え戴けれたら、毎朝のミサの中で、天の息子さんの霊魂ために皆で御祈り差し上げたいのですが。
    コメントは勿論公開しません。

    道子さんの、苦しみや悲しみを癒す事など俺には出来ませんが、せめて息子さんの為に、お祈りさせて下さい。

    ちゃんと、風邪を治します!

    ありがとうございます。

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